(千歳船橋のピアノ教室♬)完璧よりも大切なもの

ピアノを習う子どもたちを見ていると、それぞれに個性があり、その子にしかない歩み方で成長していきます。

一人ひとりにドラマがあり、壁を乗り越えながら自分の道を進もうと頑張る姿がとても素敵です。

完璧に弾けるまで先生の前では弾かない!

ピアノを始めた3歳の頃からとても真面目で努力家のお子さん。先生からもらった課題は、「完璧に練習してから先生の前で弾く」という思いが強く、いつも自分に厳しく練習を重ねていました。

自分に厳しい分、レッスンでは「まだ完璧に弾けないから」という思いがあると、なかなか曲を披露してくれません。

もっと気持ちを楽にして、大丈夫だよーと思いながら見守っていましたが、どうしたら弾いてくれるだろう?
おうちでせっかく練習してきた曲、本当は披露したいはず。と思いながら色々なアプローチを考えて実践していました。

発表会が転機に!

そんなお子さんにとって、7月の発表会は大きな挑戦でした。

何ヶ月もかけて曲の準備をし、何度も弾き込んで迎えた本番。大きなホールでとても緊張したはずです。思うように表現できたところばかりではなく、演奏後の姿は、少ししょんぼりした様子を見せていました。

けれども、その経験が大きな転機となりました。

本人の中できっと色々な思いが巡ったのだと思います。「完璧じゃなくてもいい。今の自分の音楽を表現しよう」と、心の中で変化が起こったのかもしれません。

完璧に弾くことに対するプレッシャーから解放された瞬間だったのかもしれません。

そこから徐々に、「ここまで練習したから先生に聴いてほしい」と、完璧に仕上がっていなくても自分から弾いてくれるようになったのです。

小さなミスがあっても気にせずに、「こうでなくては!」と自分を律する気持ちから、「私はこうなんです!」と自分自身を温かく受け入れることができるようになりました。

自分がやってみたい!と思うことも見えてきて、練習曲への取り組みと並行して、作曲や編曲も楽しむようになってきています。

素敵な成長の軌跡

ご成長の過程を思い返すと、胸がじーんと熱くなります。

ピアノはただ指を動かすためではなく、自分と向き合い、自分を表現し、人と分かち合うための素晴らしい手段です。

これからも、教室に通ってくれる生徒様一人ひとりが「ありのままの自分を音にのせる」喜びを味わえるように、そっと背中を押していきたいと思います。

音楽が私達に与えてくれる目に見えない素晴らしい力を改めて感じた出来事でした。